♪♪Llorona 泣き女♪♪
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cenote 神秘恐竜悲劇 mapa
 リゾート地カンクンや数多くの遺跡で知られるユカタン半島には川というものが無い。 だが、豊かな地下水がこの地に住む人々を潤している。 それは地表に向けてパックリと口を開けた、巨大な井戸のような穴で「セノーテ」と呼ばれる。 その神秘さゆえに、古代メキシコ人は水底に神が住むと信じ、生け贄や財宝を投げ込んだところもある。 然し、彼等は勿論、この地を訪れる現代の人々も、この「セノーテ」の更に地下深くに、その昔恐竜の絶滅を招いた巨大隕石衝突の傷跡が埋もれている事を知る人は少ない。
洞穴の底のセノーテ、地表から陽光が差し込む

巨大隕石衝突の中心地Chicxulub

  六千五百万年前、直径二十キロメートル以上とも推定される巨大隕石が、秒速数十キロメートルの超高速で地球に衝突した。
 その衝突は、酸性雨、オゾン層破壊、温暖化等数十万年に亘って、地球環境全体に大異変をもたらし、恐竜を絶滅へと追い詰めた。
(PHP新書「巨大隕石の衝突」松井孝典著、以下の記述の殆どは同著による)

crator  隕石が衝突するとクレーターが出来る。
 地球上のあるゆるところにクレーターはあるはずであるが、風化したり侵食されたりで現在その形を見ることが出来るのはそう多くはない。
  右の写真はアメリカはアリゾナ州にあるメテオール・クレーターで、形が崩れていないことで知られている。 直径は1.2km、深さ120m。
 超高速で衝突する隕石は、その持てるエネルギーが一気に解放される、つまり核爆弾と同じ原理で爆発するので、クレーターの大きさは衝突した隕石の何倍にもなる。

  地球学者によれば地球は、その46億年の歴史で13回の生物絶滅を経験している。
  その最も新しいのが六千五百万年前の恐竜をはじめとする地上の約7割の生物の大絶滅である。
 そして、恐竜の化石が発見されはじめた19世紀初めから、さまざまな絶滅原因の仮説がたてられたが、いずれも決定力に欠けていた。
 しかし、1.980年アメリカのノーベル物理学賞受賞者ルイス・アルバレスが巨大隕石衝突説を裏付ける有力な証拠を発表して一大センセーションを巻き起こした。 その証拠が何故説得力をもっていたかは、専門的になるので省略する。
 以後彼の息子で地質学者のウォルターをはじめ数多くの科学者達が、その衝突地点探しにしのぎを削った。

chicxulub  そして、アルバレス論文発表の翌年、メキシコの地球物理学者アントニオ・カマルゴ・サノグェラとアメリカの地球物理学者が、1,970年代にメキシコ石油開発公団の依頼で地質調査した結果を纏め、ユカタン半島に重力異常と磁気異常が見られ、これが隕石衝突によるクレーターの可能性があると発表した。
 然し、この論文はただちには注目されず、テキサス州の津波堆積層の研究から衝突地点を割り出そうとしていたアリゾナ大学のアラン・ヒルデンブランドが、1,988年にこの地下構造が隕石衝突によるクレーターであると発表した。
 それは地下1〜2kmに有り見ることは出来ないが、磁気、重力解析によって単純なリング状ではなく二重、三重のクレーターになっており、直径は二説あるが、小さい方でもなんと170km、大きい方では300kmにも及ぶ。(ちなみにこの規模のものとしては、カナダ・オンタリオ州サドベリー・クレーターの200kmがある。18億5千万年前)
 このクレーターはメリダ市の近くの海岸の村Chicxulub(チクスルブ)に中心があることからチクスルブ・クレーターと呼ばれる。


xelha  そして、話は遠回りしたが、セノーテの所在地を地図上にプロットすると、このクレーターの外輪山と一致することから、セノーテがクレーター形成と何らかの関係があったとされている。
 写真はユカタン語で「水の湧くところ」を意味するセルハ(Xelha)のセノーテで、地下の外輪山が海岸線を横切る所なのであろうか、カリブ海とつながっている。


allende  メキシコには他にも重要な隕石が有る。
 ひとつは隕石にまつわる三大事件のひとつチワワ州アジェンデ村に落ちたアジェンデ隕石で、そこに含まれた白い物質が世界中の隕石科学者を興奮させたと言う。
 何故なら、それが太陽系星雲ガスが凝結する際最初に出来る物質とされ、地球誕生の謎をとくひとつの重要なカギとなるからである。


chupaderos  もうひとつは、日本にも一度行ったことのあるチュパデーロス隕石(写真)で、長さ2.8m、幅2.1m、重量約15tonという、世界最大級の大きさだ。 これもチワワ州のJimenezに落ちた。
 メキシコシティーの鉱物博物館に保存されているのを見に行って来たが、実物を目のあたりにする迫力は、直径20kmの巨大隕石を想像するに十分だ。
 地肌は石と言うよりは鉄の固まりに近い、鉄道線路の脇で拾った犬釘の肌に酷似している。

 最後にChicxulub衝突で起こった現象の幾つかを紹介すると、
地震エネルギー 津波 爆風 飛散物質
阪神大震災の3千万〜10億倍 波高1,000m 半径千キロ以内、70m/秒 1,585兆トン(煤を除く)