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Guadalajara
メキシコ第二の都市



中古車マーケット
Autotianguis


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日本では、食料品や雑貨等のマーケットは具体的に存在するが、
中古車のマーケットといえば、経済学上の抽象的な概念であって、具体的な市場が存在する訳ではない。
ところがここメキシコの大きな町では、大抵「アウト・ティアンギス」と呼ばれる中古車の「市」がたつのである。

メキシコで自動車を生産していると聞いて驚かない人も、年産約180万台で英国よりも多いと聞けば驚く人が多いだろう。
だが、そのうち国内で消費されるのは約4割で、人口9千万のなかの2割程度の富裕な人々に渡るに過ぎない。
国土が広く、公共交通機関の発達していないこの国では、貧しい人々にとっても車は必需品だ。
そして、彼等が手に出来るのは、なんと言っても中古車、それもかなりの年代物なのだ。

entrada  日本と同じように店鋪を構えた中古車屋も勿論有るが、そういうところは所謂プロが高い利鞘を稼ぎ、ピカピカできれいだが割高だし、第一、庶民に手の出るような古い年式のものは少ない。
 そこで、毎週日曜日に町外れの空き地に、シロートが車を持ち寄る市がたつと言う訳なのだ。
 入り口で10ペソ(約130円)払うと、売り値や年式等を表示する紙を呉れる。 展示する場所は早いもの順だから、いいところに置きたければ10時前に行く必要が有る。


legalizada  シロートが持ち寄ると言ったが、必ずしも自分の乗っていた車を売りに来ると言う訳ではなく、少々説明が必要だ。
 アメリカとの国境から千キロは離れているこの辺りでも、国境を越えて出稼ぎに行く人々がかなりいて、その人達が帰国する時に向こうで中古車を買ってくるのだ。
 どんな車でも持ち込むことはできるが、6ヶ月以内にアメリカに戻るか国内で登録しなければならない。
 ただ、登録するには一定の条件があって、まずスポーツタイプの車は出来ないし、今年(2,001)で言えば93年型より新しい年式のものも出来ない。
 アメリカで8年も前のモデルとなれば、どのくらい安いか想像がつこうと言うものだが、これをメキシコに持ち込めば10倍では売れると言うのだ。
 この市に持ち込まれるのは殆どがこの手のもので、ウインドウグラスにこの登録済みの証書のコピーを張っている車が多い。
 頼めば警察官が立ち会って、必要書類や車台番号等に不備がないかチェックしてくれるところも有ると言う。


t_bird  何故10倍でも売れるのか、それはひとくちに言って、国内の中古車相場が高いからだ。
 新車価格はアメリカより若干高めだが、ほぼ国際価格だ。
 ここの労働者の賃金は、その日給がアメリカの時給程度しかない、この人達が国際価格の商品を買える訳がない。
 でも、子だくさんの彼等が家族揃って買い物や知人を訪ねる為に移動すると、バス代は馬鹿にならないし、週末にスーパーに出かけて一週間分の買い物をするとなると、どうしても車が欲しいと言うことになる。
 97年の統計だが、自家用車の保有台数が約900万台、と言うことは約10人に1台と言う勘定でかなりの普及率と言ってよく、新車の販売量を考えると中古車需要が旺盛だと言うことが分かる。
 左の写真は、我が家の植木職の青年が持ち込んだ82年型サンダーバードだ、V8、オートマで、エアコンこそ利かないがパワステ、パワウィンド、電動シート、リトラクタブルヘッドライトに到る迄、まだまだ健在で、青年はしきりとデモンストレーションしてみせる。
 だが、客はそんなものに興味は示さない。 なんと言ってもキャビンとトランクの大きさと手ごろな値段だ。 ちなみに青年の希望価格は1,500ドル。 日本だったら金を払って廃車にしてもらわないといけないようなこの車にである。


持ち込まれる車の殆どが乗用車か、小型ピックアップだが、ごく僅かだが変わり種も有る。
この国にもクラシックカーマニアが居て左の2台は相場の倍ぐらいだ。 営業用に中型トラックやクレーン車等もあった。
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camiones


市は木陰もまばらな空き地で、地面に引かれた石灰の白線にそって車が並ぶなかを家族連れ等がのんびりと品定めして歩く。
そんななかを、椰子の実を発酵させた飲みものを天秤棒に担いで売り歩く男や、椰子の実を氷に載せた手押し車が通る。
ホイルキャップ、ジャッキ、発電機等、どのモデルの何年式のものとも知れぬ部品を並べる人もいる。
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メキシコの人々が何よりも大事にする週末の昼食が始まる2時頃には、売り手も買い手も三々五々引き揚げて行く。
一体どのくらいの商談が成立したのだろうか、Quien sabe=キエン・サーベ=誰が知ってるか→誰も知らない。
それにしても、、、、である、、、
メキシコの労働者がアメリカの時給ぐらいの日給で、額に汗して作った車は半分以上がアメリカに出て行く。
そして、彼等が手に出来るのは、アメリカの人々が使い捨てた車なのだ。
このサイクルをなんと呼んだらいいのだろうか、そしていつ迄続くのだろうか。