コルテス宮殿、革命の指導者モレロス像をバックにした広場で、ダンスが始まった。 踊っているのは殆どが老人、曲は彼等が若かりし頃のチャチャチャなど、男性の衣装は植民地時代のもの、、、と、全く時代考証が混乱している。
だが、御当人達は勿論、三々五々集まった見物人達もいっこうに気にしていない。 彼等にとって、時は必ずしも一方向に整然と流れるものではないのだろう。
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マリアッチのプレーヤー達が手持ち無沙汰に集まっている。 彼等が演奏を始めるにはまだ陽が高い。 何をしているのかと聞けば、パトロン達が来て交渉が成立し、彼等を自宅やレストランで開かれるパーティーに連れて行くのを待っているのだという。
日本の流しは自ら客を求めて歩くが、ここの楽士達は客任せ、一晩棒に振ることもあるのだろうが、気に介しているようには見えない。
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公園の中央には決まって舞台が有り、音楽が演奏される。 今しも白衣のブラスバンドが演奏を始めた。
教会の鐘は鳴り、ラジカセからは老人達のダンスのバックミュージックが響く、通りからは車のクラクションが聞こえてくる。 もう音のカオスだ。
舞台を見上げる人は誰一人居ない、でもそれでいいのだろう、これらの音が時の流れを撹拌しているのだ。
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