墓地の前には一週間ほど前から市がたつが、ここに一歩足を踏み入れるとメキシコ人の持つ「死者の世界」に対するイメージがいかに我々と違うか分かる。
彼等によれば、故人が安眠するあの世とは蓮の花の香りがただようところではないようだ。
第一章で見て来たものと、この市で見るものから推定する限り、そこはオカルトの世界のように思われる。
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第二章 あの世はオカルト
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まず、市の入り口のゲートの上には、頭にナイフの突き刺さった血だらけの男が右手に生首をぶら下げている。
その腕が、電気仕掛けで右に左にと揺れ、足下にはこれ又血まみれの生首が三つ転がっている。
更に、そのうちのひとつを血まみれのネズミが齧っているではないか。
これで、出来がリアルであれば身の毛がよだつところだが、故意か偶然か出来が悪く滑稽なところが救いとなっている。
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