南国メキシコとはいえ、ここ高地の12月の風は冷たい。
垢にまみれた乳飲み子を抱え、交差点で物乞いする母親が差し出す手はヒビだらけだ。
だが、その交差点を過ぎたところに入り口のあるコンドミニオの塀の中には、別の世界が展開している。
ここは金持ち達の住宅街だ、冷たい風も塀に遮られはいってこないと見える。
この時期、夜ともなると贅を尽くした高級住宅の、建てものと言わず、芝生と言わず、立ち木と言わず イルミネーションが輝く。
塀の外の人と中の人、なんたる落差だ、「神の前に人は平等」という言葉に首をかしげるのは、 私が不信仰だからだろう。
ともあれ、ここはひとつ自制心を知らぬ金持ちどもの虚栄心の輝きをとくと拝見することとしようか。
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