♪♪Sen~ora 奥様♪♪
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 2,004年からメキシコとアメリカの間の経済的な国境はなくなる。
 幹線ハイウェイは蛇の舌のようにペロペロと南に伸び、アメリカの輸送会社のコンテナーを引いたトラックが轟音を立ててやってくる。
 アメリカ資本の土足の音は、もう遠慮する気配もなく高々と鳴り響いている。
 「スーパー」の浸透もそのひとつだろう。
 住宅街の近くにはOXXOというミニスーパーが雨後の筍のように乱立し、郊外の纏まった規模の空き地には超大型の文字どおりの「スーパー」が建設された。 いずれもアメリカ資本だ。
スーパー


 そして人々の足は、古くからある個人商店やメルカド(市場)から離れ、スーパーへと移りつつある。 何がそうさせるのだろうか。
 かって国土の4割を米墨戦争で奪われた恨みは今も根深く、米人をグリンゴの蔑称で呼ぶことでささやかな溜飲を下げている彼等が、競ってアメリカナイズされて行くのを見ると、しっかりしろと言いたくなる。
 だが庶民には、どこの資本かは関心がない、テレビなどのしつこいコマーシャルでつくり出された時流に乗ることで安心を得たいのだろう。  勿論大量仕入れなどで値段も市場などと較べ遜色ないことも魅力ではある。
caritos

 ここで紹介するのはこの町で一番大きいショッピングセンターの中にある「WAL-MART」。
 ちなみに、このセンターには他にメンバー制のスーパー、衣料品専門スーパー、10室のシネコン、マクドナルド、ファーストフードレストラン、ゲームセンターと約30の小ショップが入り、駐車スペースは約2千台ある。
super
 屋内は体育館のような雰囲気で、垂れ幕に「二万点の商品」とあるだけあって、およそ生活のすべての範囲のものが置かれている。
 その広さもさることながら、ひとつの商品の置かれている量の多さに驚かされる。
 45歳の婦人が生んだ子供の数の平均が5人という、大家族の社会だけに一回の買い物の量も多くカートの大きさも小学生がすっぽり入れるほどだ。
 売り場の詳細は以下に見るとして、面白いのは入り口に競合スーパーとの価格差を示す商品棚があることだ。
 だから本来どこのスーパーも、店内の写真撮影は禁止なのだがマネージャーがゴルフ仲間なのと、メキシコ人がこのページを見る恐れはないと言うことで許可してもらった。
interior

 野菜、果物のコーナー。  粒や、色彩は日本のように揃っていないのが却って自然で好感が持てる。
 だから、客はひとつひとつ傷がないか、良く熟れているか手にとってみる。 キャベツなど葉っぱものは、汚いところはちぎって捨てることもできる。
 マッシュルームなどパックになったものも一部あるが、殆どは目方売りで売り場に秤が置かれている。
 さすがにきゅうり半分などと言うのはないが、キャベツなどは商品の補充に巡回して来る係員に頼めば半分に切ってくれる。
 各スーパーによって特色があるが、この店はレタス、ピーマンといったいわゆる気取ったものが多く、メキシコ固有のものが少ないことだ。
frutas

 肉売り場。  牛、豚、鶏だけで、メキシコで良く食べられる羊などは置いてない。
 さすがは肉食の国、牛で言えば体の部位別に20種類以上の肉がカットされた状態でパックされている。
 メルカド(市場)と違って、豚の顔、牛の腹の皮や臓物類などは置いてないが、豚の脚や血入り腸詰めぐらいはある。
 パックは最低で400g程度で大きいのは1kgぐらい迄あるが、頼めば小さくしてくれる。

 ハム、ベーコンのコーナーも日本にくらべるとはるかに種類が多い。
 全て量り売りで、単位は四分の一キロで、オーダーすると好みの厚さにスライスしてくれる。
 頼めば味見もさせてくれるし、ベーコンなど脂身の少ないところと言えば、これでどうだと見せてくれる。
 混雑する時は写真左端に赤く写っている器械から番号札をとり電光掲示板で順番が来たら手を挙げて注文する。

 チーズは単に酒の肴だけでなく、スープ、煮物、炒めもの等にも多く使われるのがメキシカンフードの特徴だけに、これも極めて種類が多い。
 売り場はUの字になっていて写真に写っている反対側もチーズ。
 殆どはパックになっているが、コッテージチーズやフレッシュチーズ等は量り売りだ。
 ここも試食ができる。  ちなみに、卵のパックは12、15、18、30個と4種類有る。

 冷凍食品も野菜、魚介類からハンバーグ等のファーストフードやメキシコ料理の冷凍品もある。
 メキシコ料理は、サルサ(ソース)造りから始まって、多くの香辛料を好みに合わせて作るなど、手間ひまかかるものが多く、子だくさんな家庭の主婦に磐石の座を保証して来たのだが、こう冷凍食品が多彩になってくると、どこやらの国の轍を踏むのではと余計な心配をしてしまう。
carnes jamones quesos congeradas
 (なお、鮮魚売り場もあるが殆ど全てがかき氷に埋まっているので、写真は控えた。 調理人が居てワタをとったり、切り身にもしてくれる。)

 酒類の売り場。  メキシコの酒と言えば誰しもテキーラを挙げるが、一番多く飲まれるのはビールだろう、その次に多く飲まれるのがブランディーとラム酒だ。
 ブランディーは日本では高級品イメージだが、ここでは安物もありコカコーラなどで割って飲む。
 夜9時以降と独立記念日、革命記念日と言った政治的祝日は販売が禁止されており、売り場に大きな網がかぶせられるか、レジに持って行っても受け付けて貰えない。
 日曜雑貨売り場。
 トイレットペーパー(右側)は12ロールワンパックのものが多い。
 こちらの食生活に紙タオル(左側)は無くてはならぬものだ、布巾というものを殆ど使わず、何でもかんでも紙で拭くからワンパックは500枚等と大きな単位になる。
 売り場スペースはたっぷり有るから、大きなゴミバケツや鍋類も山のようにおいてある。
 ドッグフードやペット用品もこの一角に有る。
 衣料品売り場。
 大人のものは専門店が沢山有るからだろうか、子供服のスペースが一番大きい。  大人、特に紳士用は下着の他はカジュアルなシャツ、ズボン程度しか無い。 デザインもそんなに多くないから、ゴルフクラブで同じシャツの御仁にお目にかることは珍しくない。
 試着室は有るが、寸法直しは出来ない。
 靴売り場も有るが品数は豊富ではない、町中には異常なくらい靴屋が多い所為かも知れない。
 ベビー用品売り場には乳母車も置いてあるが、乳母車は日本でほど便利ではないのでちょっと不思議な感じがする。
 というのは、歩道や交差点、交通マナーなど乳母車に適した環境になっていないからで、実際、町中で見かけることは稀である。
 一部の環境の良い住宅街に住む人達の商品のように思われるが、そういうものでも置いてあるところがスーパーたる所以なのだろうか。
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 電気用品では電球、コンセントといった小物から大型冷蔵庫迄ある。
 インターネットブームから最近はパソコンも置かれるようになった。  値段も卓上型で千ドルちょっとと、国際価格だ、他の電気製品も殆どが輸入品で、ひところはひどく高かったが、今では国際価格だ。  勿論、こちらの生活レベルからすると、高級品には違いないが。
 オーディオ関係では、カセットテープもまだあるがCDがずいぶんと普及して来た。
 同じ売り場にカメラやビデオもあるが、デジカメやDVDは未だない。
 ボタン電池をはじめ、大抵の電池はここにある。
 テレビはアメリカの衛星テレビが入って来ていてNHKを見ることもできる。
 スポーツ用品は、サッカー、野球、バスケット用品ぐらいが中心で、テニスラケットとなると初心者対象の物しか置いてない。
 大体スポーツ用品にお金をかけられるのはごく一部の裕福な人達で、彼等はメンバー制のスーパーや、人づてにアメリカから買う。
 アメリカで流行するものはあっという間に入って来る、ローラーブレード、マウンテンバイク、スケボー、アスレティック用品もある。
 玩具は幼児向けが殆どでテレビゲームは置いてない。
 ポケモンをはじめ日本製テレビアニメが、スペイン語に吹き替えられて沢山放映されているので、そのキャラクターに人気がある。
 タマゴッチブームの時は、オリジナルが日本だとよく知られていたが、ピカチュウにはもう国籍がない。
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 家具もあるが、新婚家庭がそろえる食堂、応接セット程度の物が殆どだ。
 一般に家具は木材、籐、革など自然の素材を使った手工芸的なものが好まれ、また職人達の人件費も安いので、合板や樹脂製品はそれほど割安感もなく余り好まれない。
 ベッド生活の国だからシーツや枕などだけでなくクッション、それもダブルサイズをはじめ各種そろえねばならない。
 同じ売り場に浴室用品も置いてある。  日本ではアサシャンは特殊な生活行動とされているが、ここでは何かことを起こす前にリフレッシュの為にシャワーを浴びたり、歯磨き、鬚そりをする人が多い。  だから、浴室用品に置かれるウェイトは日本よりおおきい。
 カー用品は、アクセサリー類は余りなく、ワイパーブレード、バッテリー、油脂ワックス類、ジャッキ、工具、日除け、カーペットなどという実用的なものが中心だ。
 ひところ、エンジンを売っている店が有って驚かされたことが有る。
 スペースにゆとりのある大型店ならではの商品としてはタイヤがある。
 パンク修理屋に持ち込めば、待っている間に取り替えてくれる。
 園芸用品。
 3大都市以外には日本で言うところのマンション形式の住宅は非常に少なく、殆どの人が一戸建てに住んでいる。  だから何らかの形で緑を持っており、「Bonsai」はもうスペイン語になっているくらい緑を愛する人が多い。
 くわえて、乾季の水やり、雨季の芝刈りは不可欠の仕事だから、スプリンクラーやエンジン付き芝刈り機も置いてある。
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 お洒落用品のコーナーも有る。
 高級品は置いてないが、女の子が生まれるとすぐにピアスをつけるお国柄、女性用アクセサリーにお洒落用品という感覚は希薄だ。
 メイクアップ用品の色は濃く、香水の香りはきつく、さすがラテンの血筋を感じさせる。
 時計やサングラス、男性用にはネクタイピン、ベルトなどが有る。

 少し大き目のスーパーには大抵薬局が有る。  薬剤師が常駐していて、症状を言えば適当な薬をリコメンドしてくれる。  また、医者の処方せんを持っていけば、かなり専門的な薬も置いてある。
 メキシコでは、点滴は自宅で医者の手を借りずに自分でするのが普通で、点滴用の器具や液も売っている。

 店が巨大なだけにレジも25有る。 勿論時間帯によって開けたり閉めたりする。  混雑する時は10品以下専用のスピードレジも設けられる。
 レジには2mほどのベルとコンベイヤーがついていて、殆どの商品の値段はバーコードで読み取る。 野菜、果物は秤に載せて商品名をインプットする。  手早く処理する道具立ては揃っているのだが、大人でも小柄な人なら入れようかというサイズのカートに買い物を満載した人も結構居て、混雑する時はかなり待たされる。  家族構成が大きいこともあるが、個人商店の仕入れ先にもなっているのだ。 商品のバーコードが剥がれているなどのトラブルが有ると、レジ番号が点滅して係員がローラーブレードを蹴って颯爽と現れる。
accesorios farmacia cajas  レジにカウントされた品物はアルバイトの子供達がポリ袋に詰めてくれる。 彼等の収入はチップだけだ。 昔はカートは店の出口に置いていかなければならなかったので、車迄運んで又チップが貰えたのだが、今では客が駐車場迄押していけるようになった。
 近代化は、ここでも弱いものを犠牲にしている。