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アドロ(熱愛)

第1話 「明るくって悲しい人々」

 メキシコ、そこの空はすっごく青くって明るいんですよ。
 メキシコシティーは公害がひどいから別ですけど、、、
 そしてその碧い空をジーッと見ていると、また、とっても悲しくなるんです。
 空がこんなに綺麗なのに、地上にはどうしてこんなに貧しさが溢れてんだろうって。
 だから、そこで暮らしているメキシコの人も明るくって、悲しいんです。
 ちょっと寅次郎さんにも似てるけど、悲しさがもっとやりきれないんです。
 それは被征服者のテテナシ子を先祖に持ってるってコンプレックスによるんですって。

 メキシコの人はジョークが大好きです。
 そのジョークにも自分を馬鹿にしたものが多いんですが、気をつけて下さいね。
 外人のあなたが、一緒に笑っていいものと、いけないものが有るんです。
 いけない方のをひとつ紹介しましょうか。

 昔、神様が世界中をまわって、いろんな国をお造りになりました。
 最後にメキシコにお寄りになった時お供の者が言いました。
 神様の国の作り方は、バランスがとれ公平で、流石でございます。
 でも、メキシコにはどうして、広い土地も銀も石油までもお授けになるのですか。
 神様曰く、そうだな少々不公平かな?、じゃあメキシコ人を置いていこう。

 次は一緒に笑っていいのをひとつ、、、
 ある日、メキシコ人、アメリカ人、スペイン人の三人が砂漠をドライブしていました。
 運悪く突然エンコしましたが、通りかかる車も有りません。
 やむなく三人は、大事なものを夫々一品だけ持って歩く事にしました。
 最初にネを上げたのはメキシコ人で、持って来たラジェーターの水を飲みました。
 (ここはどうして可笑しいのか分らないふりをして曖昧に笑う)
 暫く歩くとアメリカ人が、少し休もうと言って、持って来たシートに腰を下ろしました。
 (ここは、地面に座ればいいのにカッコつけて馬鹿だね、とうなずきながら笑う)
 更に歩くとスペイン人が言いました、暑くってたまんない、少し風が欲しいな、と言うなり、持って来たドアのハンドルを回してガラスを下げました。
 (ここは膝を叩いて笑い転げて下さい)
 メキシコの人達は、外国人を笑い者にして憂さを晴らしたがります。
 それはその昔、先祖たちが征服と言う恥辱を受けたからだと言います。
 スペイン人をガチュピン、国土の4割を侵略したアメリカ人をグリンゴと蔑称で呼びます。
 明るくって、悲しいお話でした。

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