♪♪Vida loca 狂った人生♪♪
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 私の住む町は州都で人口は約60万ある。
 これだけの人口があれば、日本的感覚からすると、町の中心部には高層ビルの数本もありそうなもんだがそれがない。
 それでいてと言うべきかどうか、郊外型ショッピングモールは数百台の駐車スペースを持つ規模のものが二つあるし、10室以上の同時上映室を持つ映画館は3館もある。
 これだけのものが共倒れすることもなくやっていけてるということは、やはりそれだけの人口があるからなんだなあと思う。  大学についても同じようなことが言える、この町に私の知る限りでも4校ある。
大 学
Universidad
 メキシコでは、日本では崩れかかりつつあると言われる学歴社会が厳然として存在しており、大学を出るということの重みは大変なもののようだ。  例えば、私のゴルフクラブのレストランのボーイ達は客の誰が大学出で誰がそうでないかちゃんと心得ており敬称をきちんと使い分ける。
 客の間でも、勿論気心知れた者同志は名前だけの呼び捨てだが、多少よそよそしく呼ぶ時は名前よりはむしろ敬称だけで呼ぶ。  日本で言えばお医者さんを「先生」と呼ぶように理系の人はインヘニエロ、文系の人はリセンシアード、その他建築士はアルキテクト等々と呼ぶ。  名前を覚えるだけでも精一杯の私には超人的な業にみえる。
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 ここで紹介するのはこの町で一番大きいアグアスカリエンテス自治大学。  自治大学と言うのはメキシコのあちこちにあるが要は政府の丸抱えではなく自立していると言うことのようだ、ただし財政的な支援を受けているので運営組織に一定の数の政府関係者が含まれる。  前身は1,867年創立と言うから相当古い、ただし総合大学になったのは1,973年で、農、医、工、建築、社会、経済の6学部41学科あり学生数は約8千5百人。
 授業料は年間約550ドルと格安に見えるが、建築現場の職人頭の週給が約90ドル、年換算で4,500ドル、エンゲル係数50%前後の彼等には手の届く額ではない。
 この60万都市周辺の高校卒業者が年間約6.500人しか居ないと言うのも驚きだが、そのうちの約2,300人程度しか大学に進学していないという数字は大学進学がいかに困難かを物語っていないだろうか。
 奨学金制度もあるが約2百人弱の利用者しかいない、食うには困らないが学資迄は手が届かない程度の人達は恵まれている方でそんなには多くないと言うことではないか。
monumento  では一般の学生達は富裕層の子弟ばかりかと言うと、これがさに非ず、金持ちのおぼっちゃまたちは殆どが3大都市の超有名校に行くし、お嬢ちゃま達には地元にフランス系の私立女子大があるからだ。
 これらの有名校の学費は日本の私立大学に匹敵し、生活費の安い当地の庶民にとっては天文学的数字だ。
 だが、そこを卒業すればマネージメント層への道が約束されており高い学費もペイするのだろう。
 学歴の塀は高い、だが必死にそれを乗り越えても更に高い階層の塀があるのだ。
(左の写真は当大学のシンボル)

 キャムパスは、外環状線を挟んでこの町の超高級住宅街に隣接しているが、住宅街が自然のこんもりとした緑に包まれているのに対して、大学の方は地味の瘠せたこの地域を象徴するように瘠せた土地を植樹と芝生でカバーしている。 それでも、空の青さと雲の白さが七難を隠し学園らしい雰囲気をかもし出してくれている。
 敷地は280万平米ありスタンドのあるサッカースタジアムをはじめとする運動施設が約三分の一を占め、ほぼ中央部に図書館と講堂(写真下)がある。

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 事務棟を除くと校舎は殆どが平家、ブロックを積んだだけで、内装もタイルを雑に貼っただけ、黒板、椅子、机も質素と言うよりはお粗末だ。
 40年前、旧日本軍兵舎跡で学んだ自分の学生時代を思い起こさせられる。

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 だがそこにいる学生達は現代そのものだ、教室のパソコン、背中に背負ったバッグ、ジーンズに女子学生の踵の高い靴、仲睦まじいカップル、CDにインターネット、エトセトラエトセトラ。
 40年前の詰め襟の制服姿とはどこにも接点がない、まるでバックトウーザフューチャーの世界に迷い込んだようで、2月に入ったばかりとは言え、眩しいばかりに輝く太陽のもと目眩のようなものを感じる。
 授業の合間だろうか、明るく談笑する学生達に将来のエリートとしての気負いはみじんも感じられない。 この若い世代が卒業を重ねるにつれ、敬称で呼び合うような社会は消滅してほしいものだ。
 だが、経済的理由かどうかは分からぬが、無事学業をおえる学生は学部により50〜60%だという数字を見ると、それは遠い遠い将来のような気もする。

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 アメリカもそうだが日本では大学と言えばスポーツといっていいほど盛んだ、ここメキシコの大学スポーツについては良く知らないが、少なくともテレビ放映されるほどでないのは事実だ。
 卒業率が50〜60%ではスポーツ等やってる暇はないのだろうか。 道具や施設に金がかかるスポーツは一部の金持ちがすることのようだ。
 だが、サッカー、野球、バスケットは公共のグラウンドが沢山ある、勿論砂塵もうもうのところが多いのだが。
 この大学のサッカーグラウンドは御覧のように立派だ、少し教室の方に金を回したらと余計なことを考えてしまう。
 話はそれるが、メキシコにはプロ一部リーグのサッカーチームをもった大学が二校あるのはおもしろい。 勿論プレーヤーは学生ではなくプロの選手だ、この大学も3部リーグのチームを持っている。
写真註:左端に見えるのがこの町の象徴のひとつ「死者の山」で形が胸の上で手を組んで仰向きに寝ている人に見えるところからそう呼ばれている。  右の木立の中が学園、右端の高層(8階)建てビルは大学とは関係ない。
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